kaedesato’s blog

100歳まで気楽に生きたい

逆ソクラテス 伊坂 幸太郎 (著) の感想

タイトルが気になり読みました。
小学校高学年が主人公の短編5編です。

アラカンの私にとって、小学生は、遠い存在だと思いましたが、短編だし、気軽に読んでみました。

どれも、心に刺さる話ばかりでした。

 

 

大人になって、小学生の頃を思い出して、語る形です。

「逆ソクラテス」は、小学生以上の人、全員におススメしたい本です。

 

小学校は、勉強だけでなく、人として学ぶことがたくさんあります。
小学生にとって、大人は絶対的な存在です。
だけど、大人はけっこう未熟です。

 

小学生にとって担任の先生は、絶対的存在であり、正しい事を教えてくれる人。

でも、その先生が、正しくなくて、先入観に満ちていて、こいつはダメな奴って決めつけている事は、多々あります。
自分は間違えていないという自信があって、少々の事では曲げられない人って珍しくないです。


子供が「お前はダメな奴」って言われ続けたら・・・
考えたらぞっとするけど、ふつうにありがちな話です。
良い事をしても、先生の先入観は変わらない。

他の子がやったら、ものすごく褒める事も、その子だと「大したことない」って言う。

先生が馬鹿にするから、クラスの子供たちも、「あ、この子は馬鹿にしていいんだ」って感じて、何となく馬鹿にする。
本人は、自信を無くして卑屈になっていく。


1編めの「逆ソクラテス」は、そんな決めつけ先生の先入観を、くつがえす作戦が実行されます。

「ダメな奴」と決めつけられている子の友達が、作戦を考えます。
自信を無くした子が、先生に馬鹿にされているとき、「僕はそうは思わない」って言って、自分を取り戻せるようになる作戦です。

 

子供の頃の心を思いだしたり、大人の立場で考えたり、いろいろハッとすることがある、作品ばかりでした。